パーク・ライフ

  • 2008/05/31(土) 22:17:28

パーク・ライフ (文春文庫)パーク・ライフ (文春文庫)
(2004/10)
吉田 修一

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パーク・ライフ に描かれるのは、「ありそうで、あんまりない日常」である。それが例えば水がさらさらと流れるように、あるいは日当たりの良い場所で一日を過ごすように、ふと気付くと小説自体が終わっていたという感じの淡白さで描写されている。私には東京で暮らした経験がなく、従って日比谷公園がどのようなものであるのか見当もつかないため、もしかしたらこれが現代の東京に暮らす若手作家の描く東京の姿であり、それを私が解さないだけなのかもしれないが、あまりに「引っ掛かり」のないストーリーの流れに、いささか不可思議な感じを覚えた。心の機微や人と人の距離について考えさせられる部分もなくは無いのだが、あれだけの表現では如何せん読者に深く考えさせるまでには至らないのではないか。少なくとも、吉田 修一が意図した世界が、読者のどれほどに理解されているのか甚だ疑問である。私には何も感じることができなかっただけかもしれないが。故に悪人を読んだとき、「吉田 修一も成長したな」と思わせてもらったものだ。このパーク・ライフ で芥川賞を取ったのだから、あとの作品の方が優れているのは当り前ではあるのだが。

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